Railwayに想いをこめて

ファインダーから始まる一期一会の物語

最後の別れ

今回は2月28日に撮影した模様をお送りします。

お題は今度のダイヤ改正前に引退する700系新幹線車両です。

今回は3回撮るチャンスがあり何処で撮ろうか候補地の選定をしますが、天気予報と睨めっこしながらと言う事になります。

撮影した2月28日の関東地方は晴れの予報と出ておりましたが、撮り鉄の味方「GPV天気予報」を見ると朝は雲が無いものの通過する12時30分前後は雲が増える予報との事で静岡県富士市にある富士山バックの撮影は敢えなくパス。

他の候補地としては横浜の羽沢の跨線橋も考えたが早めに行っても定員いっぱいで撮るのが難しいのでこれもパス。

横浜ランドマークタワーバックも候補に上がりますが新幹線の側面に陽が当たらないこともありこれもパス。

平塚市内の富士山バックの撮影ポイントも考えたが先程書いた通り雲に隠れる予報でパス。

結局は午前中は新幹線・午後は早川・根府川間で早咲きの桜を撮るプランに決めて、700系新幹線は小田原駅のホームから撮ることにします。

8時過ぎに自宅を出発して早速環八の渋滞にハマります。ノロノロ運転しながら東京インターから東名高速に入ります。そこから先は順調に進みます。小田原厚木道路を経由して荻窪インターで降りて程なくして小田原駅に到着。早いうちに小田原駅の新幹線ホームに行く事も考えましたが入場券の2時間縛りもあり、一旦仮眠を取り11時過ぎに小田原駅の新幹線ホームに到着。

ビッシリ行列が出来ているのかと思いきや、筆者が考えている以上に撮られている方が少ない印象です。

今回は余裕があるのでどの位置がベストなのかポジションを変えながら撮影します。

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2020.2.28  東海道新幹線  新横浜-小田原(神奈川県小田原市

今回の撮影は絶対に失敗出来ないので機材はNikonのシステムを使っています。D500に80-400ミリズームレンズに1.4のテレコンバーターを装着。更にD500の1.3クロップにして換算1100ミリ近くの超望遠で撮りました。

14号車付近から撮りましたが、圧縮感と坂を登っているのがよくわかりますね。オレンジ色の標識がどうしても構図の中に入るので別の場所に移動して12号車付近で撮ります。

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一枚目の写真よりもズームレンズを引いて撮りましたがオーソドックスな構図ですが迫力に少し欠けます。後で考えたらこの構図でも良かったかなーと思った次第です。

試行錯誤しようにも東京行きの「こだま」が入線すると5-8分止まるので練習するチャンスがあまり無いのでぶっつけ本番になります。

700系が来るまでは少し視点を変えた写真も撮っております。

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2020.2.28 東海道新幹線  熱海-小田原(神奈川県小田原市

小峰トンネルから新幹線が飛び出した瞬間です。

新幹線を浮かび上がらせて周りの架線や架線柱を暗くする事によってちょっとしたアート感をイメージしています。寧ろこの写真がベストショットではないかと思うようななりました(笑)

 

さて、いよいよ本番の時を迎えます。9号車付近にポジションを取り通過予定時刻の12時20分になり遠くから700系が見えて来ました。

通過する時はほんの一瞬、失敗出来ないと言う緊張がMAXに到達し心臓の鼓動も高まって来ました。ファインダーから新幹線がぐんぐんやって来てシャッターを押します。

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「700ありがとう」を強調するにはこれしかないと思い先頭車をアップ気味にして撮り、左側にあるオレンジ色の標識を目標物にして構図を固定しました。

最初はD500の3Dトラッキングを使い700系を撮ろうと思いましたが、練習で使った時はピントが合ったり合わなかったりとイマイチだったので画面の右下にピントを合わせて撮っています。

手持ちの時の編成写真は列車に釣られて右に動かしてしまう癖があって列車の側面や後ろの車両がカットしてしまうところがありましたが、モニターを見たら何とか粘ってくれました。その瞬間に肩の力が抜けた感じですしホッとしたのは言うまでもありません。

葬式鉄」みたいな事は人が多くて今までは撮ったことはありませんでしたが、今回は旅行等でお世話になった思い入れのある車両と言うのもあって自分にとってのラストショットを撮りましたが、最後に見送る事が出来て良かったと思いますし東海道新幹線では撮る事が出来ないかと思うと寂しいです。