Railwayに想いをこめて

ファインダーから始まる一期一会の物語

雨のある宴

3日目の朝を迎えました。

いよいよ泣いても笑っても最終日です。

和歌山県新宮市内のホテルに宿泊して、朝練は三重県和歌山県の県境にある熊野川の橋梁からスタートします。

宿泊した時の朝練は車で20〜30分くらい走らせる事が多いのですが、今回は徒歩10分で撮影ポイントに行けるから気が楽です。

今回は条件が厳しい事になりまして・・・

紀勢本線熊野川の橋梁は大半がトラス橋で冬の時期の日の出はとても絵になるのですが、そうは問屋が卸してくれませんでした。

と言うのも2日目の撮影を終えて新宮市のホテルに移動中に熊野川の橋梁を渡った際に橋を見ると川の真ん中で何台か重機が鎮座していたので、トラス橋を絡めた撮影は不可能になったのでここは断念して紀宝町にある北越製紙紀州工場を背景にして列車を撮ります。

朝6時過ぎに撮影ポイントに到着して早い段階で構図を決めて、日の出前なので露出の調整に時間をかけます。

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2020.2.14  紀勢本線  鵜殿-新宮(三重県南牟婁郡紀宝町

撮影した当日は朝9時過ぎに雨の予報でした。

まだ空が暗かったのでスローシャッターで列車をぶらしてテールライトをアクセントにしております。

晴れていれば工場をシルエットにしているとは思いますが、ドン曇りになっている以上仕方がないと思いますが、工場のオレンジ色の灯りが煌々と光り煙突からは煙がもくもくと上がっていてザ・工場感があって良いですし24 時間フル稼働しているのが分かりますね。

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朝8時前に撮影した普通列車です。

だいぶ明るくなっていたので今度は列車をぶらさずに撮っております。ディーゼルサウンドを響かせながら熊野川橋梁を渡っていくキハ25。

313系電車をベースに設計されたキハ25ですがJR東海エリアに入ると避けては通れない車両です。御殿場線で撮っても紀勢本線で撮っても外観が一緒なので如何しても金太郎飴みたいな感じで正直なところあまり好きではありません。

地域に合わせた車両造りが必要なのを実感しますがJR東海にそう言う考えは無いのかなーって言う感じがします。

 

新宮市内を後にして再び三重県に入り国道を北上しますが、9時過ぎに雨が本降りになってしまいます。かと言って撮影中止と言う訳にはいかないのですが、何かしっとりした鉄道写真が撮れるのではとポジティブに考えます。

実は2日目のロケハン中に「道の駅海山」の近くから河津桜と列車が絡める事が出来るポイントを見つけて最終日に撮ろうと思いたったのですが、いかんせん初めての撮影ポイントなのでぶっつけ本番の撮影となります。

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2020.2.14  紀勢本線  相賀ー尾鷲(三重県尾鷲市

構図を探っているうちに踏み切りの音が鳴り急いで撮った一枚ですが正直なところちょっと列車が大きいのとバックにある住宅の処理に課題があったので「ワイドビュー南紀」の通過まで1時間あるので解決を試みようと、右に行ったり左に行ったりと構図を練ります。

最終的には少しローアングル気味にして自分なりに構図を見つけてベストとは言えませんが列車が通過するのを待ちます。

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住宅や電柱が少し残っているもののだいぶスッキリした印象になったのでは無いかと思います。

山里に咲く雨に濡れた早咲きの河津桜が演出して、しっとりとした春の情景を写し出しているのではないかと思います。晴れていたら完全な逆光ですし明暗差があったと思うので、逆に雨が降って良かったと思うくらいです。

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2020.2.14  紀勢本線  阿曽ー伊勢柏崎(三重県度合郡大紀町

最後は定番撮影地であります通称「イセカシ」で撮ってまいりました。雨が殆ど止んでいますが霧が少し残っていたので「ワイドビュー南紀」をパチリ!

最後の写真は編成写真で締めました。絶景撮影をしたのは良かったのですが、列車が小さく撮り続けた反動か無性に編成写真を撮りたくて仕方がありませんでした。

旅行先で地の物を食べて来たのは良かったが最後は飽きてしまい、蕎麦かカツカレーを頂くような感じでしょうか(笑)

次回遠征した際は田植えの時や稲刈り前に訪問して撮りたいものです。

今回の遠征で河津桜の出会いがあったのは最大のサプライズであったのは間違いないと思いますし、東京を離れて何かホッと出来る風景に出会えた事に感謝をしなくてはいけないと思った次第です。