初夏の雲を探して
2020.5.30 南武線 府中本町ー南多摩(東京都稲城市)
緊急事態宣言が解除されて初めての撮影と言う事になります。
とは言えコロナウイルスの第二波がいつやって来るのかわからないので、自分の中では暫定的に撮影に復帰した様な感じです。
どこで撮影に復帰しようか色々模索しました。本当はロマンスカーの撮影から再スタートしようと思いましたが5月30日は土曜日で5月いっぱいは土日は運休の為6月以降に持ち越し。
今回は夏日の予想でしたので武蔵野線の多摩川の鉄橋で初夏らしい雲を撮ってまいりました。
2020.5.30 武蔵野線 梶ヶ谷貨物ターミナルー府中本町(東京都稲城市)
西武多摩川線の是政駅から是政橋を渡る途中で程良い形の良い雲があったので、南武線の電車で撮り試しながら構図を作ります。雲の動きや表情を見ながら貨物列車が来るのに合わせて構図を作り先ずはEF210牽引の石油列車をワンカット。
列車の側面が少し陰り気味ですが雲の表情に筆者は勿論満足ですし、初夏を迎えたのを実感したのは言うまでもありません。
是政橋を渡り多摩川の土手を歩きながらロケハンします。河口堰に近いポジションにカメラをセットして反対側にも雲があり変化していく雲の表情にフォーカスして貨物列車を撮っていきます。
是政橋と赤と白の鉄塔をアクセントにしてEH500牽引の貨物列車を何本か撮りますが、何か納得いかないので入道雲になるのを待ちながら撮り続けます。
少しずつではありますが入道雲が出来そうな予感がしますね。多摩川の土手での貨物列車の撮影は初めてですが梅雨が明けて猛暑になった時の夏雲を撮るのがますます楽しみになりました。
お昼の1時30分を過ぎ上手い具合に入道雲になり絶妙なタイミングでEF210牽引の貨物列車がやってきてゆっくり通過していきます。
本格的な夏を迎える見事な雲に大満足です。今年の夏は多摩川で定点撮影をしても良いのではないかと思った次第です。
この後は薄い雲が広がり、このまま残って貨物列車を仕方がないので帰宅しました。解除後初めての撮影でしたが、厄介な「自粛警察」に絡まれる事も無く無事に撮影を終えてホッとしたのは間違いありません。
次回は再び過去に撮った写真に戻り振り返ってみたいと思います。
春の目覚め
2013.4.23 東北本線 船岡-大河原(宮城県柴田郡柴田町)
鉄道と桜を撮るきっかけになった一枚でも。
とあるブログで船岡城址公園の「樅木は残ったデッキ」からの千本桜と夜行列車の写真が自分の中で強烈な印象があって、是非撮りに行きたい気持ちでいっぱいでした。
撮影した2013年の4月23日は偶然連休中だったため前日の4月22日に出発して仙台駅のレンタカー屋さんで車を借りて、その後は仙台市内のホテルにチェックイン。
翌日は朝3時30分に出発して国道4号を南下して45分程で船岡城址公園に到着。
桜の開花状況は出発する前に把握していたのですがだいぶ散っていたとの事でしたが、桜の方はギリギリ残っていて撮影には影響がないと判断して撮影に挑みます。
天気はほぼ快晴、段々と空が明るくなって俄然テンションが上がります。太陽が顔を出し御来光のタイミングで「カシオペア」がゆっくりと通過します。
ほのかに光る桜のある春景色に当然満足したのは言うまでもありません。
「カシオペア」の通過から20分が経ち段々と太陽が登って光がだいぶ差し込み眩しいのですが「北斗星」を待ちます。
最初の写真とは違い白石川がキラキラ光り桜も輝いている様に感じますが私だけでしょうか?
初めて撮った春の目覚めに大興奮です。
この一枚をきっかけに編成写真中心から鉄道に風景を絡めた写真にシフトしていきます。
あれから7年が経ち「北斗星」は廃止になり「カシオペア」はツアー列車として営業運転をしておりますが、二度と撮る事が出来ない春の目覚めに感謝の気持ちでいっぱいです。
今回も余談・・・
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が解除されたのですが、北九州市でクラスターが発生しているので早い段階で第二波が直ぐそばに来ているのではと感じずにはいられません。
5月30日に多摩川に行って初夏らしい雲を探しに解除後初めて写真を撮って来ましたが、感染対策としてマスクは勿論のこと除菌シートや携帯用の除菌ジェル携行しています。実際に歩いてみるとウォーキングやランニング、川釣りや多摩川の土手でまったりしたりと・・・
緊急事態宣言が解除されるのを待ちにまった感じなのでしょうね。
今回は「自粛警察」に絡まれることは無く無事に撮影を終えてホッとしました。
これからは梅雨入りして次の撮影は未定ですが、第二波が来ないことを祈るしかありません。
三代目スピードスター
2012.1.5 東海道新幹線 品川ー新横浜(東京都大田区)
初代0系・二代目100系そして三代目のスピードスターは300系です。
新幹線の基礎を作ったのは0系ですが、現在の東海道新幹線を作ったのは300系ではないかと思います。
なんと言っても最高速度270Kmで東京〜新大阪を2時間30分で結び「朝9時の会議に間に合う」と言うキャッチフレーズだったのではないでしょうか。
試運転を開始した時は新しい新幹線の時代とワクワク感があった事を覚えています。
筆者も300系には旅行の際にお世話になりましたが、15号車や16号車の揺れが結構キツくてひょっとしたら脱線してしまうのではないかくらいの横揺れが酷かったのを覚えています。
今回の写真は6年振りにハードディスクから引っ張り出してLightroomで露出をアンダーにしてテールライトをアクセントにしてちょっぴりクールな雰囲気を作っています。
2012年の3月に引退する2ヵ月前に東急多摩川線沼部駅から程近いポイントで撮影しています。現在はフェンスにアクリル板が貼られて撮影が難しくなってしまいました。
当時は撮影者は誰もおらず朝から日没間際まで撮影しましたが、刻一刻と変化する光の動きをここで勉強させてもらった様な気がします。
余談・・・
只見線で活躍したキハ40系2両が小湊鉄道に移籍との事で、早く房総半島を駆け抜ける姿を早く写真に収めたい気持ちで非常にワクワクしています。
しかし、この間行われたキハ40系の「配給輸送」で色々とトラブルがあったそうですね。普段はこの手の列車に興味の無い筆者ではありますが、警察沙汰になったトラブルは看過できない事案です。
Twitterで駅のホームで人が「密」に撮影されている写真を英国BBCが見たらこう表現していたでしょう「彼らには事の重大さを分からないのだろう。一度警察に連行して拘置所で3日間自粛の意味をもう一度教えなければならないのでは」と皮肉っていることでしょう(笑)
JR東日本は安全対策を名目にホームの先端に2メートル以上の高いフェンスやバリケードを設置して、撮影者を排除しないとこの手のトラブルはずっと続く事でしょう。ホームでの撮影で三脚や脚立なんてもってのほか。今回の一件はトラブルが予想されたのにも関わらず、JR東日本の対応の甘さもあると言われても仕方がないと考えています。
光の海
2015.4.25 湘南新宿ライン 新宿ー池袋(東京都新宿区)
この頃は丁度過渡期で編成写真主体から鉄道風景写真主体に切り替えようと、風景を絡めた鉄道写真や駅のスナップしたりと、色々と試行錯誤したを思い出します。
仕事帰りに新宿駅西口をブラブラして横断歩道橋を歩いている途中で歌舞伎町のネオンをバックに1時間くらい練習を兼ねてひたすら流し撮りをいっぱいしました。
当時使っていたSONYα77MkⅡはボディー内手振れ補正はあるものの、2020年現在販売されている5〜6段分の強力な手振れ補正に比べるとどうしても心許ないものです。
歩行者が多い場所なうえに更に歩道橋が揺れるので三脚の使用が難しいから手持ちで流し撮りと言う事になります。
ひっきりなしに行き交う電車をひたすら撮りますがなかなか上手くはいきません。
300枚撮って上手くいったのはたったの5枚。
それでも一番まともだったのは山手線や中央線の車両では無く、今回アップした高崎行きの185系の「あかぎ」です。
こうして見ると光の中を駆け抜けて行く姿に不思議な感覚がし過ぎます。日中とは違い夜の方が何か賑やかさを感じずにはいられません。
昔は歌舞伎町で飲んだり遊んだりしたものですが、ここ数年は写真仲間とたまに飲みに行くくらいで歌舞伎町とは縁が無くなった様な気がして寂しいですね。
晩春のひととき
2016.5.17 一畑電車北松江線 雲州平田ー布崎(島根県出雲市)
あれから4年の歳月が経とうとしています。
あの時の記憶今でも鮮明に覚えています。
出雲市駅前のホテルをチェックアウトして電鉄出雲市駅から「バタデン」に乗車して、電車と川を一緒に撮ろう布崎駅で降ります。
この日は雲が全く無い快晴だったのを覚えています。雲が無いのも写真にするのは難しいと判断して歩きながら撮影ポイントを探そうとした瞬間に、川の土手にマーガレットがいっぱい咲いているのを発見します。
筆者としては当然ビビット来る訳です。これは絶好の被写体と思い電車が来るギリギリまで構図を考えます。
勿論電車は極力真ん中には入れずに右上の方に配置するのを軸にしてマーガレットの配分を考慮しないといけません。
「バタデン」の運用は調べていなかったので、どの車両が来るのかワクワクしながら来るのを待ちます。
今回はオレンジ色に塗装された元東急の1000系はマーガレットとの風景は合わないと思ったので、京王線で活躍した名車5000系が来てくれると撮影旅の良い思い出になるのではと思いました。
踏み切りが鳴り電車がゆっくりと川を渡って来たのは「バタデン」オリジナルカラーに身を纏った元京王の5000系です。
本当のところ京王時代のオリジナルカラーが一番良かったのですが、白地にブルーのラインが入った電車も中々だと思います。
あれから4年の月日が流れましたが今年もマーガレットが咲いてくれたかな。
コロナウイルスが終息したら、出雲に行って撮りたいな。
と言うわけでこれから暫くの間は2011年から2018年にかけて撮影した写真を公開しつつ、色々な思い出話をして行こうと思います。
これから始まる春の物語
もう一回河津桜を撮りたいと思いネットで調べると、茨城県の水戸線で河津桜を撮れるポイントがあるとのことで画像を拝見すると「これは撮らなあかん!」
中央線・湘南新宿ラインを経由して小山駅で水戸線に乗り換えて東結城駅に到着。
東結城駅から20分程歩き鬼怒川沿いの筑西遊湯館の駐車場にある満開の河津桜が咲く並木のある撮影ポイントに到着。
先ずは小山行きの普通列車を押えのワンカット。列車を小さく河津桜の存在感を大きく取り入れています。
ここからは本格的にロケハンを開始して他に何か無いか探すと、咲きかけの菜の花を発見して次の撮影では三脚をセットして河津桜と一緒に収めます。
列車にピントを置き河津桜と菜の花をレンズの絞りを開放にしてボカして3月のポカポカの春の情景を表現。
何か暖まる景色に心が和みますし本当に癒されます。
次の電車まで1時間近くあり鬼怒川の土手を歩きながらロケハンをすると、見た事がない雪を被った山が見えたのでGoogleマップで調べて見たら男体山が見えたので、構図を色々と変えながら試行錯誤を重ねながら列車が来た瞬間にパチリ!
結構霞がかかっていて晩春の様な雰囲気ではあります。
最後の写真は女峰山をバックに河津桜と電車をパチリ!
この緩い雰囲気が何とも言えません。何かゆっくりと春の時間を満喫しながら河津桜を楽しんでいるかのように。
電車は変わっても未来に残したい春の情景です。今回も思わぬ出逢いに感謝をしないといけません。
今年は4月の中旬から長野県の飯田線の桜や秋田県角館の枝垂桜を撮ろうとプランを計画しておりましたが、新型コロナウイルスの緊急事態宣言で白紙になりましたが、2月の早い時期から河津桜の開花が始まり4月の最初の頃のソメイヨシノまでいっぱい撮る事が出来たのでまだ良かったのではないかと思います。終息した暁月には今年行けなかった桜の写真をいっぱい撮りたいと思う次第です。
名峰への憧れVol.6
2020.3.25 高山本線 西富山ー婦中鵜坂(富山県富山市)
いよいよ真打ちの登場です。
一生に一度は撮りたかった難攻不落の剱岳・・・。
立山連峰をバックに貨物列車を撮り終えて直ぐに高山本線の婦中鵜坂駅から程近い撮影ポイントに移動します。
去年秋の秋田紅葉撮影を終えた後に2020年は何を撮ろうか色々考えたら、剱岳をバックに疾走する列車がカッコ良かったので冬の間に絶対撮りたいと構想を練ります。
富士山とは違い剱岳のある富山県は日本海側にあり、特に冬は晴天率が低く撮影は間違いなく難しいものとなるのは間違いありませんでした。
今回はウェザーニュースや雲の動きを予測する「GPV気象予報」をフル活用して撮影に挑みました。
前日の3月24日に仕事を終えて富山県の気象情報をチェックすると日の出から日没まで雲一つ無い事が分かったのです。
もしかしたら一生に一度撮れるかどうかの撮影なので撮影の前日は本当にワクワクしましたし夜も中々寝付けませんでした。
婦中鵜坂の撮影ポイントには40分程で到着してロケハンをすると既に先客が数人カメラを構えておりました。
快晴の剱岳を撮りたかったのでしょうね。
先ずはキハ120二連の普通列車で車両の大きさや剱岳とのバランスをチェックして本番である「ワイドビューひだ」や貨物列車を撮ります。
一瞬にして永遠。
列車が通過したら過去のスタート、未来に残したい極上の日本の鉄道風景です。
富士山の優美さと優雅さや上品な雰囲気とは違いゴツゴツした剱岳の姿はまるで他の者を寄せ付けないまさに男の山です。これは現地に行った者だけが味わえる素晴らしき景色です。
名峰をバックに幾多の鉄道風景を収めてきた筆者もこの景色はやはり特別です。
地元の方と30分程お話をしましたが、今年の冬は超のつく暖冬で立山連峰の雪は例年より少なかったそうです。次回チャンスがあれば雪がいっぱい降り積もった剱岳是非撮りたいですね。
高山本線の富山ー猪谷間は撮影ポイントが点在している様なので、季節を問わず訪れたい気持ちでいっぱいです。